愛着をつくりにいくために。[LTV向上]
愛着…人や物事に対して情緒的な結びつきや、大事に思う気持ちを指します。
近年、マーケティングの世界では短期的なUUやPV数を追っかけるのではなく、LTV(Life Time Value)の向上を目指した施策が多く考えられるようになってきました。LTVは顧客生涯価値のことで、これの向上とは、平たく言うと一度買ったあともリピートしてくれるようにロイヤル顧客にする作戦を練るといったところでしょうか。
新規顧客を取り続けることも重要ではありますが、LTV向上の施策は、サービスの質をあげ、顧客の声を聞きメンバーがそれを知ることで目線が合い、経営をスムーズにする効果があると予想されるため、良い流れであると考えています。
新規顧客に販売するには、既存顧客の5倍のコストがかかるという1:5の法則なんてのもあります。
このLTV向上のためについてはさまざまな打ち手が考えられます。
LTV施策っていろいろあるけれど…
まずは一般的な施策を並べてみましょう。
・ポイント会員
・ゴールド会員
・公式アプリの制作
筆者がサービス開発の企業にいた時は、LTV向上を目指す戦略は上記が多かった印象です。
ちなみに LTV = 平均購入単価 ÷ チャーンレートで計測は可能です。
これらのLTV施策に関しては、
・LTV上位ユーザーが使ってる
・LTV下位ユーザーがこれに触れることによってLTV上位ユーザーになる
これらどちらを期待しているかでその効果が大きく変わります。
おそらくほとんどの企画者が後者を期待しているのではないでしょうか?
基本的にその効果を実現させるためには一筋縄では行きません。これら通常の施策がLTV向上に寄与しないかというとそうではないものの、かなり大変であるということは断言できます。
自分の行動に置き換えるとわかりやすいかと思います。
ふらっと寄ったドラッグストアでポイントカードを作ったからといって、普段は最寄駅近くのドラッグストアを利用するでしょうし、公式アプリを何かのきっかけでダウンロードしても、結局はSNSで情報収集する日常に勝てず、あまりアプリを開かないのがオチです。
そのため、ただ施策を打って、それ一つでロイヤル顧客にするのはかなり難しいといえます。
LTV向上のための施策は、外部者が実行したほうがよい
ではどういった施策がいいのか。
本当に効果のある薬は苦いです。
わたしたちは新規顧客獲得のための派手な施策と同じくらい、既存顧客の不満点を解消する地道で苦い手法を大事にします。ここの泥臭さが強度の高いビジネス構造を作ると信じています。
そしてこの活動が、法人内部で働きづらい力学もあります。
地道なLTV向上アクションがフューチャーされるような組織文化醸成が成功の要
飛び道具的な施策はそれで動かしつつ、もっと本質的な自分達の土台を固めることをお勧めします。
それが評価や評判のスポットライトを新規顧客獲得のムーブメントと同等レベルに、顧客満足を上げた行動に当てるということ。
どれだけLTV向上が大事とわかっていても、営業活動のKPI設定は、成長を前提にしたものばかりがほとんどで、新規受注、リード数の増加、商談数に視点がおかれがち。
ともなれば、その関係者は新規数値向上の報告をあげたいため、わざわざ周知しない、しても新規受注の報告に埋もれる状況からナレッジも溜まりづらく、チャーン(解約)を抑えてることになりがちなので数値としての変化もないため評価もしづらいという状況になります(これは筆者の個人的な経験からも得ている教訓です)。
既存顧客の継続利用を促進するアクションがフューチャーされるような組織文化が成功の要となりますが、成長が特出して善とされている社会ではなかなか難しいでしょう。
また、そういった文化はなかなか浸透しづらいもの。
そのため、このLTV向上のための施策やアクションに早く効果をもたらすためには、外部に委託し任せていくということもおすすめいたします。
LTVをあげるには、そのブランドに愛着を持ってもらう
では具体、サービスや商品のLTVを上げるにはどうすればよいのか。
これはシンプルに、
顧客にとってよい体験を精緻に整理し、理想の体験フローに近づけるべく少しづつ改善していく
に尽きるかなと思います。
もともとの体験フローをドラスティックに変えるよりも、改善を繰り返してよくしていくという観点で、体験フローを磨き込む必要があります。
顧客は買い物導線が大きく変更されることに基本的にストレスを感じます。
また、もう一つのポイントとして顧客からの愛着を作り出すための施策の思案もできたらよいでしょう。これはブランディングの範囲でもあり、その恩恵の一つです。ブランディングの効果はそのままユーザーのLTV向上へ寄与するといっていいでしょう。
愛着の鍵は、ユーザーの予想に対し、ポジティブな歪みをどこにつくるかで決まる
当然、ユーザーからの愛着はいきなりはつくれません。
対象の見た目だけ整えられれば”愛らしさ”はだせるものの、それだけではなく、ユーザーが対象と接している中で作られたストーリーや、心理的なつながりが多くなっていけばいくほど発生するものと考えています。
そのため、体験フローをベースに検討すると施策も考えやすいと思います。
LAVOTの事例から見てみると、LTV向上施策が新規顧客獲得につながることもある
愛らしいロボットで人気のLAVOTのマーケティング手法は愛着創発にとても勉強になるプロダクトと考えています。
好例だと思っているポイントが「既存顧客が発信しているSNSを活性化させる」施策を経て、コロナ禍において実店舗が効果をなさない中でも、大幅に成長したという背景です。
主に受動的に顧客への体験サポートを行うカスタマーサクセスを着実に行う戦略をとり、既存顧客の満足度や商品への愛着具合をあげつつ、その発信で新規顧客も巻き込みながら波及するという好循環を描くに成功しています。
具体面白いと思ったポイントは、メンテナンスサービスにおける用語設定で、「故障・修理・工場」などの用語の代わりに、「病気・治療・病院」という用語で運用しているなどが挙げられます。
この用語をベースに既存顧客はLAVOTの治療を行ったことを発信する流れとなり、自然な拡散が望まれたという形です。
このような施策をいきなり発想は少々難易度が高いと考えております。
そのため、まずは土台、既存の体験をもとにした情報を整理することをオススメしています。
どのようにしてユーザーからサービスに愛着が生まれるよう設計するのか、以下ステップにしてみております。
STEP 01:現在地を知る
まずは特定のサービスやPJの現在地を知ります。ブランディングというのはまずは定義から入るもので、わたしたちHighliteは独自のフレームワークを必要に応じて利用しつつ、そのブランドの現在地を明確化していきます。
STEP 02:描きたい姿を決める
愛着を促す施策を作る施策は、考えれば無限に出てきます。しかし、その施策たちを全て行うにはリソースも時間も足りないことが事実。
そのためまずは数年後になっていたいブランドの姿をコアメンバーで思い描き、その姿を実現するために必要な施策と、優先度をつけていきます。
STEP 03:愛着施策を考える
愛着施策のアイディアを出すにしても、依代となるような指標がないと考えづらいと思います。そこでカスタマージャーニーマップ(顧客体験フロー図)を活用することをおすすめ。
ユーザーの動きを体験フェーズごとに見ながら、感情の動きを可視化し、仮説を立てていきます。ユーザーの感情が下がっている箇所を主に洗い出し理想の体験とのギャップを言語化していきます。
この言語化によってでてきた課題に対して、それぞれ解決の施策を考えるということが大きなLTV向上のためのアプローチとしてお勧めしています。
そのサービス、愛着を持たせるためにはどんなことが必要だろう?
実際のアイデアがほしい!愛着施策を考えてみたい!という方はぜひ一度お問合せください。
上記したフローをもとにしつつ、より長期で安定した売り上げにつながる、LTV向上の施策整理を一緒にしていきましょう。