ブランディングがデザイン投資対効果を何倍も変える理由
本日は”デザインの価値を上げるためには”という観点で、ブランディングの効果をまとめています。
特にデザイナーに対して依頼を丸っと投げっぱなしになっている方や、今どういったデザインをデザイナーさんに作ってもらおうか迷っている担当者さんにおすすめの知識です。
安くないデザイン投資をさらに効果最大限にするための考え方を知ることができます。
「かっこいい見た目を作る」だけのデザインを卒業しよう
「デザイン」という言葉を聞くと、多くの人はロゴや配色、フォントなど視覚的な要素を思い浮かべます。しかし、デザインが持つ本当の力はその先にあります。
それは、ブランドの本質を表現し、顧客との深い繋がりを生む手段であるということです。
良いデザインは単なる装飾ではなく、ブランドの価値を何倍にも高める「体験」を生み出します。
たとえば、Appleの製品を思い浮かべてみてください。シンプルで洗練された外見だけでなく、その使いやすさや一貫したブランドメッセージが、Apple製品の「価値」を他の競合と大きく差別化しています。この背後には、「ブランディング」という視点で練り上げられたデザインが存在します。
その”ブランディング”という空をつかむような定義自体も、果たして本当にビジネス上効果があるのかということはよく囁かれるところですが、そこを話すとブランドの効果を語る分厚い書籍レベルの記事ができるので別の機会に。
しかし、ブランディングが加味されたデザインか、否かという切り口ではその効果に大きな違いが出てきます。
あなたのそのデザイン依頼に記載のある項目は、他社の事例を参照するだけになっていませんか?
デザイン制作が、ブランディングを挟むことで大きく変化する5つの理由
デザイン制作の現場では、デザイナーが本人のできる範囲でリサーチし、例えばバナー制作であれば他社バナー例を見ながら制作を行います。
ここでブランディング要素が少しもない依頼の場合、デザイナー側からは世間一般的な流行や、好みのデザインなどを作ってしまい、企業イメージの統一がまったくはかれません。
もちろん、デザイナー側にブランド意識が強い人もいますが、参照するものが少ない場合、リサーチできる範囲でのブランディング表現になってしまいます。
そういった環境を変化させ、単なる制作だけに留まらないようデザインの価値を大きくあげるのが、ブランディングという活動です。
1. デザインが企業やサービスの第一印象を作ることができる
心理学には「初頭効果」という言葉があります。人は最初に受けた印象を長く引きずるというものです。
ユーザーが企業やサービスに触れる最初のクリエイティブは主に以下があります。
- ウェブサイトのデザイン
- ロゴ
- コピー
- 商品のパッケージ
- SNS広告
- イベントブース
- 動画広告
- 店内体験
- 電話の受け答え
- 店員との会話
- etc
こういった、ユーザーがブランドと触れる接点をタッチポイントと呼び、これらタッチポイントからのみしかユーザーのサービスへの印象は生まれません。
逆に言うと、このタッチポイントがずさんだと、ユーザーからの評価は著しく低くなってしまいます。
しかし、良いデザインは一瞬でブランドの魅力を伝え、顧客を惹きつける力を持っています。ブランディングされていない場合、伝えたいブランドの魅力がないデザイン制作となってしまい、近視眼的な成長を取りにいくことで結果ユーザーの印象を悪くする可能性があります。
2. 物語が価値を作る
ブランディングにおいて、「ストーリーテリング」の役割は非常に大きいです。
顧客は商品やサービスそのものではなく、そこに込められた背景や物語に惹かれます。
例を一つ。たとえば、あなたの手元にお皿が3つあったとします。
01:ひとつは来客時に急遽スーパーの片隅で買ったなんてことはないお皿
02:一方は浅草橋で購入したお気に入りのお皿
03:もう一方は、パートナーと一緒に休日時間をつくって制作した手作りのお皿
これらのお皿、どれもデザインがかなり似ているとします。
その場合、あなたのとってどれが一番価値が高いでしょうか?つまり、割れてしまった時のショックが大きいのはどれでしょうか?
おそらくは03>02>01の順番で価値が高いのかなと思います。その差分はお皿自身を取り巻くストーリー、つまり、対象のある時間軸における周辺情報の多さと質です。
このストーリーこそが価値をつくり、デザインはそのストーリーが視覚的に表現されているとよりよい効果を生み出します。
3. デザインが一貫性を生む
強いブランドには、一貫性があります。
いや、一貫性があることで強くなるとも言えるでしょう。
一貫性を持たせるためには顧客がどのタッチポイントに接触しても、同じ価値観やメッセージが伝わることが重要です。
そのためには、ブランドマネージャーを一人任命し、品質やクリエイティブの方向性の意思決定を預ける構造にすることがおすすめではありますが、なかなかそこまでの役割にフィーをセットするのも難しく。
そこでおすすめなのがブランドブックを作る、ということです。
関係するデザイナーが多くいる場合、一人一人キャッチアップするための経典・聖書のようなもので、単なるビジュアルのルールだけではなく、根底にある価値観やその他歴史、社会に対しての姿勢などをまとめたブックになります。
たとえば、Nikeの広告、店舗デザイン、商品パッケージ、ウェブサイトは、どれを見ても「挑戦」「躍動感」「スポーツへの情熱」というブランドメッセージが一貫しています。この一貫性は顧客に安心感を与え、ブランドの信頼性を高めます。
これらは多くのデザイナーが各々の解釈で作っていてはなかなか一貫性は保てないもの。ブックなどが用意されてようやくそれが保てる状態となります。
4. ブランディングを通じたデザインが価格以上の価値を生む
ブランディングを通じたデザインは、製品やサービスの価格を超えた価値を顧客に感じさせることができます。高級ブランドの例を考えてみましょう。
ルイ・ヴィトンやシャネルの商品は、単に革製品や化粧品以上の「ステータス」や「文化」を提供しています。その要因の一つが、洗練されたデザインにあります。
ブランディングの成功計測は「認知度」や「好感度」、「連想するもの」「知覚している品質」などをヒアリングする必要があり、難しいとされていますが、端的に同じジャンルの2つのものを並べた時、一方のほうが高く売れているのであれば成功とする見方もあります。
同じ素材や機能を持つ製品でも、デザインがブランド価値を訴求し、顧客に「これは他とは違う」と感じさせることで、価格以上の価値を生むことが可能です。
5. 体験も含めた総合的なデザインが感情を揺さぶる
人は感情に基づいて行動することが多いと言われます。
特に消費行動においては、感情が重要な役割を果たします。デザインはこの感情に直接訴えかける力を持っています。
たとえば、カラーデザインには心理的な影響があります。青は信頼や落ち着きを、赤は情熱やエネルギーを象徴します。こうした色彩心理を活用することで、顧客の心に響くブランド体験を作ることができます。
また、心に響くデザインは、顧客がそのブランドを「愛する」理由を作り出します。Instagramがユーザーに愛される理由の一つも、その視覚的に心地よいインターフェースと体験の一貫性にあります。
感情を揺さぶるようなデザインは、ただシンプルに見た目だけを整えるデザインでは再現が難しく、ユーザーの行動や事業の成長に対してのコミュニケーションそのほぼ全てを加味した上での設計が必要です。ブランディングなしにそれは難易度が高いです。
まとめ:ブランディングがデザインの価値を何倍にも引き上げる
ブランディングは、デザインに「意味」を与えます。単なる美しさや機能性を超えて、顧客に価値を伝え、感情を動かし、信頼を築くデザインを生み出します。これが、ブランディングを通じてデザインの価値高くなる理由です。
もしあなたが自社のデザインに課題を感じているなら、まずはブランディングを見直すことをお勧めします。
デザインを単なる装飾ではなく、ブランドの価値を伝える「戦略的な資産」として活用することで、あなたのビジネスは大きく飛躍するきっかけになることと思います。
Highliteではそのブランディングをわかりやすい言語化手法と寄り添ったデザイン制作でサポートしています。
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